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2009.03.272009年度新入社員のタイプはエコバッグ型

今年の(財)社会経済生産性本部による新入社員の命名(2009/03/27発表)は、
「エコバッグ型」。
 
新入社員のタイプの命名は、1973年(昭和48年)から始まった。
ちなみに、36年前の1973年の新入社員は、「パンダ型」。
「おとなしくて可愛いが、人になつかず世話が大変」と書かれている。
大卒で入社した人なら、今、58歳前後。
 
「エコバッグ型」 以下、引用。
環境問題(エコ)に関心が強く、節約志向(エコ)で無駄を嫌う傾向があり折り目正しい。
小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる(育成する)必要がある。
酷使すると長持ちしない(早期離職)が、意外に耐久性に優れた面もあり、
活用次第で有用となるだろう。
早く消費を上向かせ、エコバッグを活用する機会を増やしたいものである。
 
今年の新入社員は前年にひきつづきの大量採用で楽勝ムードの売り手市場の中、
就職活動がスタートしたが、昨年秋の金融危機をきっかけとする不況懸念で
内定取消の嵐が起きた。
売り手市場から立場は逆転し、学生たちは、内定先からの連絡を内定取消では
ないかとびくびくする毎日。波瀾万丈のストーリーに翻弄された今年の新入社員。
(引用終わり)
 
今年も新入社員がやってくる時期になった。
ここ数年、新入社員の育成を担当するチューターやメンター研修の依頼が
増えている。効果的に新人育成をしたい、育成のしくみを構築したいなど
企業の目的がある。
 
いつの時代も「今年の新人は、、、。」と言われてきた。
 
例えば、
指示待ちが多い。受け身で自発性に欠ける。言われたことだけをやる。
けじめがない。飽きっぽい。言葉づかいを知らない。などと言われ続けてきた。
 
1998年から日本にもインターンシップが導入された。
インターンシップとは、会社などでの実習訓練期間。
学生が在学中に自分の専攻に関連する企業に体験入社する制度。体験就業。
(大辞泉辞書より)
 
就業前に社会勉強・就業体験することで、就職感を養ったり、将来の方向性を
決める手段として、学生にとって非常にメリットの高いプログラムである。
就職活動に先駆けて就業体験を積むことで、企業、学生ともにミスマッチを
防ぐ目的もある。
 
私は、今から約10年前、前職では、インターンシップにいく学生のマナーや
心構えなど事前研修を多く担当していた。
同時に、受入企業のインターンシップ担当者としても仕事をしていた時期がある。
 
アメリカでは、企業が学生を大学入学時から職場体験させ、卒業するまでに技術を
入社時に必要な水準まで引き上げる。
日本では、夏休みや春休みを使った期間限定の就業体験が一般的であった。
 
今、振り返ると、うまくいったカギは、「本気」、「感動」、「声掛け」にあった。
趣旨、目標、期待することを相互に理解し、学生自身が本気に取り組めるように
セットアップ。
最終日の学生によるプレゼンテーションは、涙、涙の感動であったことを今も
鮮明に思い出される。感動を生むしくみづくり。
そして部内のメンバーによる学生への声掛け。職場全体で関わっている空気。
 
チューターやメンターに任命された人は、新人を育てることで新人と共に大きく
成長することができる。
そして、組織全体で育てていく文化が生まれる。
 
しんどいこともイライラすることも腹が立つことも、たまにはあるけど、
人の成長に関われる喜びは、計り知れないものがある。
 
どうやら今年の新人社員は、「エコバック型」。
小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる(育成する)必要があるらしい。
 
育成次第で、何とでもなる。
36年前、「パンダ型」と言われた幹部・上司たちも、
新人類と言われた私たちも、最近の若者はと言われた私たちも
いつの時代も人は、関わりの中で育っている。
 
育成は、私たちがどんな関わりをするのかにかかっている。
私たち次第である。