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2010.10.27棚からぼた餅!?

棚からぼた餅。略して「棚ぼた」。
ご存知のとおり、意味は、思いがけなく好運がめぐってくること。(広辞苑)

今から8年ほど前、志縁塾の大谷由里子さんが
「うまくいった人を見て、棚ぼたや。って言うけど、
 棚の下に居ないと、棚から落ちてきたぼた餅を拾われへんねん。」って言った。

今でも視点を変えたその言葉の衝撃を鮮明に覚えている。
どこを見るのか、どのように解釈するのか。

クライアントさんの高校生の息子さん。
1年間の交換留学を希望し、親子で学校の説明会に参加された。
アメリカの提携高校へ留学できるのは、学年でたった1名。
筆記・面接の選考試験があり、狭き門である。

学校側からの一通りの説明が終わり、希望者は応募書類を
先生のところに取りに行くという流れだった。

父親 「1名枠じゃあ、ちょっと厳しいではないか!?
    帰国子女の人もたくさんいるし書類もらってもさ。希望者も多いし。」
    (息子さんは帰国子女ではない。)

息子 「無理でもいいので、とりあえず書類だけもらってくる。」

彼は、書類を取りに行かれたが、学生が殺到し、
人だかりで、書類を渡している先生にたどり着けない状態。
そうこうしているうちに、用意されていた書類は、全て無くなってしまった。。。

なんと、彼は、床に落ちている書類を見つけて、拾って戻ってきた。
その書類には、踏まれた足形がくっきりとついていたらしい。

そんな書類を持ち帰り、筆記試験、面接試験の準備に取りかかられた。
担任の先生に相談すると、アメリカの歴史など基礎知識は必須で、

「どうして海外に留学したのいか?」
「なぜ、今なのか?」
「その経験を将来どのように役に立てたいのか?」
を重要視しているとのこと。

彼は、なんと、最終選考・面接試験の5名に残ったのだ。
面接試験は日本語で行われた。
面接官に「何か最後に一言ありますか?」と聞かれたら
言おうと練習して、用意していた英語のフレーズがある。

結局、面接官に聞かれなかったので、
「最後に一言いいですか?」と自ら言って、英語のフレーズを話した。
外国人の先生はウケていたようだが、日本人の先生にはウケていなかった。

結果、見事に合格!

合格後に息子さんは、
「説明会で落ちている書類を拾っていなければ、応募していなかったかも。
 後日、書類をもらいに行くということをしなかったかもしれない。」

「説明会終了後、その場で、書類を手にしたからこそ、熱い思いとやる気で
 合格につながった。」と言っている。

「どうして彼が合格したの!?英語もしゃべれないのに。」と
周りの学生から言われたそうだ。

周りの人たちからすると、まさに、彼は「棚ぼた」なのだ。

落ちている書類なんて、縁起が悪いとか、
人に踏まれた書類なんて、運が悪いなどと、捉えることもできる。

しかし、彼は、あきらめずに人山に行ったからこそ、書類を拾うことができた。
そして、準備して、用意していた英語のフレーズを自ら言ったからこそ、
合格という「ぼた餅」を拾うことができたとも言える。

そう、棚の下に居たのだ。
自ら棚の下に行ったのだ。
だから、ぼた餅が拾えたわけさ。

そして、お友達のKさん。4人目のお子さんは、生まれて半年。
大手外資系の会社の事業撤退によるリストラにあった。

今年1月に会ったときは、
「2月から無職や。これから職探しや。」と言っていた。

そして、希望する会社は、求人募集していなかったが、

しかし、彼は、人事部に入社したい自らの思いを手紙に綴り、
履歴書と一緒に郵送した。

さち 「先方もよく読んでくれたよね。」
Kさん「普通に送っても読んでもらえへんから、親展で送ったから。」

その手紙が社長の目にとまり、めでたく就職が決まった。

そして、新入社員で工場長だったはずのKさんは入社3ヶ月で、
「なななんと、名刺に取締役社長の肩書が。」

えーーー、リストラから、いきなり入社3ヶ月でしゃしゃ社長!
人生とは、わからないものだ。

何が良いのか、悪いのか。
どこを見るのか、どのように解釈するのか。

さち  「よかったねー。どうして、いきなり社長になれたん?」
Kさん 「人がいないってこともあるけど、工場長の仕事をしっかりやって、
     この3ヶ月で工場がちゃんと、しっかりまわるようにしたから。」

他の人からすると、Kさんもまた、棚ぼたに見えるかもしれない。
しかし、彼もまた、自ら動き、棚の下に居たからこそ、ぼた餅が拾えたのさ。

何が良いのか、悪いのか。
どこを見るのか、どのように解釈するのか。

できるか、できないかではなく、
まずは、棚の下に動いて、棚の下にいることだと彼らは教えてくれる。
勇気を私たちに与えてくれる。

もし、あなたがあきられていることがあるなら、
どうぞ、一歩でもいいので、棚の方に動いてね。

一緒に「棚からぼた餅」しようよ!

さて、あなたの一歩は何かな?